精神的なダメージで退職する社員の生活サポートについて!
労災補償(労災保険)
労災補償は、仕事によるケガや病気(傷病)又は亡くなってしまった場合など、本人または親族に補償される制度のことです。
労災補償制度(労災保険)の認定方法は、【労災保険認定までの流れ!】に記載しています。
この労災補償にはケガや病気以外にも、ストレスによる心の病気、うつ病などの精神障害も対象となっています。
外部からのストレス(仕事や私生活)などに対し、個人で解決する範囲を超え、対応が出来無い場合に,発病に至ると考えられる精神障害ですが、発病した原因が仕事でのストレスから来るものである、と判断された場合に労災認定されます。
なので、アルコールや薬物などの依存症の場合は、依存にいたった原因を詳しく聞き、対話の中から判断して、仕事が原因か?、私生活でのストレスからなのか?、アルコールや薬物にたよってしまった理由を判断して診断書を書くことになります。
その診察によって、私生活が原因と判断された場合には労災認定されません。
仕事上から来る精神障害で休業した場合
心の病気で長期に渡り仕事を休む事になった場合、健康保険料を支払っている従業員は、指定された申請書に医師の診断内容と、会社を休んでいる期間(日数)と、その賃金についての説明を会社側に書いてもらい、申請すると申請した日から、さらに連続3日間、休業状態が続いていれば、4日目以降から1年6か月の間、標準報酬日額の2/3に相当する傷病手当金が支給されます。 この制度は給付されている期間内に退職した場合でも継続されます。
ただし、会社側からの手当や、その他の支援機関から、給付を受けている場合は、支給されている分の額が減額されます。
ちなみに、身体のケガや病気(業務上疾病)も同様に、労災保険からの休業給付を受ける事が出来ます。
精神障害(うつ病)などになった人をサポートする制度
精神障害は、症状によっては仕事を辞めざるを得ない病です。
精神に異常をきたすと、感情をコントロールできなくなり、不安・被害妄想・対人恐怖症など、様々な感情や動悸・息切れ・など、身体の病気まで併発するなど、辛い症状になり、
会社を辞めなくてはならない場合も出てきます。
しかし、簡単に会社を辞めてしまうと生活費の不安もでてくる方もいると思います。
そこで、無職・ケガ・病気・精神障害などのさいに、資金のサポートをしてくれる制度をいくつか紹介します。
公的なサポート支援一覧
支援制度 | 特徴内容 |
傷病手当金 | 給与の約3分の2を支給してくれる制度 |
自立支援医療制度 | 精神疾患者の医療費負担を1割にする制度 |
医療費控除 | 年間に10万円以上の医療費を支払っている場合に一部を還付または減額してくれる制度 |
生活保護 | 生活に支障をきたしている場合に受けられる制度・支給額は自治体によって異なります |
障害年金 | 初めて医師の診断を受けてから1年6ヶ月以上経過していることが条件の制度 |
労災の休業補償 | 給与の8割を支給してくれる制度 |
雇用保険 | 無職で就職活動をしている場合に受けられる制度 |
精神障害の方は、上記のような支援を受ける事が出来ます。
まだ会社に在籍しているなら傷病手当金や労災を選択して、もし辞めてしまった後なら失業手当を受け取ると良いでしょう。
医療費の負担が大きい場合は、自立支援医療制度や医療費控除を利用してください。
また、長く治療しても復帰のめどが立たず、生活費が苦しい場合は、生活保護や障害年金を検討してみるのも良いでしょう。
傷病手当金
傷病手当金は、ケガや病気で4日以上仕事が出来ない状態の場合に申請する事が出来ます。
4日間以上の休業が必要な場合に支援を受ける事が出来、最長で1年と6ヶ月間の間は、給与の3分の2が支給されます。
傷病手当の手続きは、会社側が申請手続きをしてくれる事も有りますが、自分で行うことも出来ます。
詳細は【全国健康保険協会】で確認してください。
自立支援医療制度
自立支援医療制度は、更生医療、育成医療、精神通院医療、心身障害の除去を目的として、医療費の自己負担額を1割に軽減するための公費負担医療制度です。
障害者福祉のひとつで、児童や精神障害、または身体障害者などが利用する事ができます。
この制度は、保険適用外の治療や入院は対象外ですが、通院治療に関してはすべて対象となります。
手続きをするには、医師から診断書をもらい、自分のいる地域の自治体に提出すれば可能になります。
詳細は【厚生労働省】で確認してください。
医療費控除
医療費控除とは、自分や家族が支払った医療費の一部を課税対象となる所得額から、差し引くことを言います。
毎年、2/16〜3/15に行われる確定申告のさいに申告することで、年間10万円以上の医療費がかかった場合、その一部を返金する制度の事で、会社員であれば還付金として、自営業の方は税金負担が軽減されます。
ただし、年間に10万円以上の医療費負担があったとしても、別の支援金などがあった場合は、医療費控除を受けられない場合があります。
入院、通院、検査、入院時の食事代、交通費も返金の対象になるので、かかった費用の領収書などは保管しておくと良いでしょう
詳細は【国税庁】で確認してください。
生活保護
精神や身体の状況が良くないく生活にも支障をきたしている場合、生活保護も選択肢の1つとして視野に入れておくと良いでしょう。
生活保護は、経済的に生活が困難な方に生活費を支給する制度です。
支給額は各自治体によってことなるので、自分のいる自治体の窓口に問い合わせるか、厚生労働省のサイト【厚生労働省】を確認してみてください。
障害年金
国民年金、厚生年金を払っていれば、対象となりますが、審査が厳しく受給のハードルが高いのが特徴です。
さらに、初めて医師の診療を受けてから1年6ヵ月が経過していることが条件となりす。
受給条件等が気になるかたは【日本年金機構】のサイトで確認をお願いします。
労災の休業補償
仕事でのハラスメントやストレスなどが原因で精神に異常をきたした場合は、労災認定を検討するのも1つの選択肢です。
ただし、認定されるまでに時間も日にちもかかるので、資金面が苦しいと難しく、認定されるまでに半年〜1年かかります。 また、認定率も約30〜40%程度と、難易度が高いのが特徴です。
社会保険労務士(社労士)に協力してもらい労災が認められれば、休業補償として給与のおよそ8割が支給され、医療費も免除されます。
どうしても、会社側の責任である事を認めてもらいたい場合は、社会保険労務士に協力してもらう事も良いのですが、勤めていた会社と対立することにもなるので、精神的なストレスもかかり、精神状態の悪化をする可能性もあり注意が必要です。
労災の休業補償についての詳細は【厚生労働省】なサイトで確認してください。
雇用保険(失業手当)
会社を辞めたばかりなら、雇用保険(失業保険)の申請をすると良いでしょう。
ただし、雇用保険は「働く意志があること・働ける状態である事」が受給の条件です。
雇用保険は通常の場合、自己都合での退職に対し「3ヶ月の給付制限期間」を設けているので、失業手当の支給は約4ヶ月後からになりすが、精神障害の場合は特定理由による退職に該当するので診断書があれば給付制限期間が免除されます。
詳細は【ハローワーク】で確認してください。
最後に一言!
経済的に不安があった場合、精神的なストレスは2倍にも3倍にも感じます、精神的な病気の克服は長期に渡る事も多いので、症状が悪化する前に行動を起こすことが大切です、もしもストレスを感じていて、気持ちの高ぶりが抑えきれないと感じ始めたら、直ぐに医師に相談をする様にして下さい!、生活を支援する制度をうまく活用する事で、経済的なストレスだけでも軽減させる事が出来ると思います。 是非、活用してみて下さい!。