野良猫「末の吉」がおみくじキャラになるまで
物語:野良猫「末の吉」がおみくじキャラになるまで

序章:公園の片隅に生まれた猫
ある町の公園の片隅で、三匹の兄弟猫が生まれました。
長男は堂々とした風格を持ち、家族思いのある猫で、次男はチョットやんちゃな一面を持つ、自由気ままな子猫でした。
そして末っ子の三男は、鋭い目のわりに甘え上手な小猫で、公園に遊びに来る人間の子供たちにも、すぐに近寄る人懐っこい子猫でした。
子供たちはその末っ子の小猫を「末の吉」と呼び、遊びに来るたびにお菓子を分け与えていました。
試練:サバイバルの日々
公園には、お菓子をくれる子供たちばかりではありません、時にはカラスの攻撃を回避しなくてはいけないこともあります。
誰もいなくなった公園で、次男の子猫にカラスが、ちょっかいを出されているのを見て、長男猫がカラスに飛びかかり、次男を助けました、その時、長男は額にキズをおい倒れてしまったのですが、急に強い風が吹き、カラスが逃げるようにいなくなりました。

その傷を後日見た子供たちは、「こんな傷を負っても助かった長男は運が良い」となり、大吉親分と子供たちから呼ばれるようになり、必然的に次男が中吉(なかきち)と呼ばれ、三男は末の吉と呼ばれるようになりました。
ちなみに、ちゅうきち(ネズミ)みたいという理由から(なかきち)となったようです。
そんな兄弟も、野良猫の暮らしは甘くなく、エサ場を探し各自公園から旅立つこととなったのですが、三男の末の吉は狩りが苦手で、魚屋の前で魚を狙っても追い払われ、公園のベンチで寝ていることもありました。兄たちはそれぞれ別の場所へ移り住み、末の吉はひとりぼっちに。 それでも彼は「まぁ、なんとかなる」と気楽に構え、子供たちからもらうお菓子や、飲食店の裏や住宅地のゴミ置き場で飢えをしのぎ生き延びました。
ただし、保護されたり、飼い猫になりたくなかった末の吉は、抱っこされても、公園を出ようとすると、俊敏さと柔軟さで、切り抜け自由気ままなサバイバル生活を続けるのです。
そんなある日、最近から公園に顔を出すようになった初老人が、末の吉を見て、この間さかな屋さんで追い払われていた猫だと気が付き、観察するようになりました。
転機:格言を生む猫
ある日、公園に来た子供たちが末の吉と仲が良いことをしり、名前が「末の吉から末吉」と呼ばれていることを知りました。

そこで初老人は、「なんだか、おみくじ みたいだね」と笑い、じゃ~~おみくじみたいに格言でも考えてみようかと、言葉遊びをしてみました。
「魚を逃し、お菓子をもらう、末の吉」と読み、「しまったこれでは、川柳みたいだな」と自ギャクを言って、自分で突っ込んでいると、一人の子が 「魚を逃しても、お菓子があるよ、末の吉」と言って言葉遊びに参加してきました。
その言葉遊びは次第にイメージ言葉となり「失敗しても次がある」「空を見れば悩みは小さい」といった生き方の象徴にまで発展していきました。
昇華:おみくじキャラへ
初老人は、散歩がてら近くの神社に立ち寄り、神社の宮司と、立ち話をしていると、この間こども達と言葉遊びをしたことを話しました、宮司が興味を持ち、そんなに人気者の猫なら、本当におみくじ言葉にしてみましょうか!?と提案してきたので、末の吉(末吉)をモチーフにしたおみくじを作りました。
そんなある日、事件が起こります。
道を横断しようとした子供が車に気がつかず、道に出てしまった時、たまたま通りかかった、末の吉がその子に飛びつき、驚いた子供が、歩道側に倒れてホッとしたのもつかの間、大きなブレーキ音と猫の叫びが聞こえてきたのです。
結末:町の守り猫
その後、末の吉の勇姿をたたえ、彼の亡骸は神社に手厚く埋葬され、公園と神社の一角に銅像も祀られ、「おみくじキャラ」として神社に訪れる人々に語り継がれる事となりました。

まとめ
野良猫「末の吉」は、ただの猫ではなく「サバイバルと気楽さの象徴」。失敗しても立ち上がり、困難の中でも柔軟に生きる姿や、人を思いやり助ける姿が人々の心を打ち、おみくじキャラとして永遠に語り継がれる存在となったのです。
👉 このお話しは「末の吉が野良猫代表ネコみくじ」として、生まれるきっかけとなった仮空のストーリーです。






